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TSH受容体異常症

TSHとは甲状腺刺激ホルモンの略で分子量約3万の蛋白です。これが下垂体から分泌され、甲状腺に達すると甲状腺細胞の膜にあるTSH受容体という蛋白に結合します。TSH受容体は今度は細胞の中にあるG-蛋白と呼ばれる蛋白に作用し、結果として細胞内の活性物質であるサイクリックAMPを増加させたり、燐脂質やカルシウムを動員して甲状腺ホルモンの分泌を促進したり、甲状腺細胞の増殖を増すなどの作用をします。このような役割をするTSH受容体に異常が生じた結果、甲状腺機能に低下や亢進が起こる場合、これをTSH受容体異常症と呼びます。従って単一の疾患を指すわけではありません。
また関連ある病態として、バセドウ病はTSH受容体に対する自己抗体が産生され、この抗体がTSHになりすまして受容体に結合する結果、甲状腺が刺激されて起こる病気ですが、TSH受容体そのものが異常ではないので、TSH受容体異常症には含めないのが普通です。ただし、バセドウ病でみられる眼球突出症では、眼窩組織の線維芽細胞に正常では発現されていないはずのTSH受容体が発現していて、これが眼球突出の一つの原因になっているのではないかと考えられ、盛んに研究されています。

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