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特発性慢性肺血栓塞栓症とは

肺は、人間が生きていくために必要な酸素を空気中より取り込み、体内で産生された二酸化炭素を排出する重要な働きをしています。
空気は、口と鼻から咽頭、喉頭を経て、気管を通り、気管支と呼ばれる左右の管に入り、肺に入っていきます。
気管支は、何回も枝わかれし、その末端は肺胞と呼ばれるブドウの房状の小さな部屋となっています。
この肺胞は、毛細血管と呼ばれる網の目のような血管に周囲を被われていて、ここで酸素は肺胞から毛細血管へ、反対に二酸化炭素は毛細血管から肺胞へと移行し、酸素と二酸化炭素のガス交換が行われています。
一方、全身の臓器から酸素が少なく二酸化炭素の多いやや黒ずんだ血液は、静脈という血管によって心臓の右側(右心)に戻ってきます。
心臓はこの黒ずんだ血液を肺動脈という血管を通じて左右の肺に送ります。
肺では酸素を取り込み、余分な二酸化炭素を排出することにより、きれいな赤い血液へと変化させたうえで、左心を経て全身の臓器へと送りこみます。

この右心から肺につながる血管(肺動脈)に、足の静脈など他の場所でできた血栓(血液の固まり)や、癌、脂肪、空気などが血液とともに流れてきて詰まり、この血管が細くなったり閉塞したりする病気を肺塞栓症といいます。
その結果、肺での酸素の取り込みが十分行われず、全身臓器に十分な酸素を送ることができず、酸素不足のための息切れが生じます。
また、肺の血管(肺動脈)が細くなるため心臓から肺に血液を送る血管の抵抗が大きくなります。
この状態を肺高血圧といいます。心臓もその負担で拡がったり、筋肉が厚くなったりして機能が低下し、息切れやむくみが生じ、右心不全という状態になります。
急激に肺の血管が詰まった場合には突然死の原因にもなり、また広範囲に詰まった場合、血圧が下がりショックを起こしたり、ひどい息切れや胸の痛みが生じます。これを急性肺血栓塞栓症といいます。



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